恋のおわり。
仕事帰りに本屋に寄った。


岡島君の誕生日に作る料理の参考に料理本を見ていた。
ケーキも作ろうかな。


ページをパラパラとめくり買う本を選んでいた。


「お久しぶりです」


隣から声をかけられた。


横を向き声の主に視線を合わせる。


…うん?


誰だっけ?


見たことがある顔ではあるが名前を思い出せない。名前を聞くのも失礼だし。


「長谷川です。
以前、パーティーでお会いした」


あ~、思い出した。


「お久しぶりです」


「鈴木奈緒さんでしたよね。
私、一度お会いした人の名前は忘れないんですよ」


「…そうなんですか。こんな所でお会いするなんて」


それ程の知り合いではないので会話に困る。


「講師をしてる塾がこのビルの三階にあるものですから。時間が開いたらこちらに足を運んでます」


私の表情で何かを感じたのか長谷川さんから話をしてきた。
確か、塾の講師をしてると聞いた記憶がよみがえる。


「そう、おっしゃってましたね。
こちらだったんですね。本屋にはあまり来る機会がなくて」


今日は途中で電車を降りて大型書店に来ていた。



















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