恋のおわり。
電車内で料理本を出して見ていた。
何を作ろうかな?
嬉しい迷い。


駅からマンションまでは歩いて10分。
途中のスーパーで夕食の食材を買う。


一人暮らし歴11年。
最初の頃はあまり出来なかった料理。
彼氏が出来る度に美味しい手料理を食べさせたくてレパートリーが増えた。


誰かの為に何かをしたいって
すごく幸せな事なんだと思う。


レジに並んでいたらバッグの中で携帯がなった。


岡島陵太朗。


すみません。と
レジの列から一旦離れ、携帯に出る。


『もしもし、奈緒さん?俺だけど』


『うん。どうしたの?』


『奈緒さん、今どこ?俺、今、奈緒さんのマンションの前にいるんだけど』


『ごめん。駅前のスーパーにいる。
すぐ帰るから待ってて』


岡島君とは休みの前の日に会う事が当たり前になっていた。
明日も仕事なのに珍しいな。










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