恋のおわり。
ゴクゴクとビールを飲む、長谷川さん。


「長谷川さんはお酒をよく飲まれるんですか?」


前に座っている長谷川さんに質問をする。


「お酒は好きです。日常のしがらみからほんのひとときでも開放されますからね」


「だから博士はダメなのよ」


さやかが長谷川さんに向かって説教をし始めた。


「女性と話しをする時は砕けた感じで話ししなきゃ。それじゃ距離が広がっても縮まる事ないからね」


「そんな事ないよ。初めはそうかもしれないけど話ししてたら長谷川さんの人柄がわかるよ」


「奈緒は特殊なの。普通の女性は引いちゃうんだから」


特殊ってどう言う意味なんだ?


「さーちゃんの言う事はわからないでもないけど、これが僕だからしょうがないよ」


さーちゃん?
さやかの事だよね。
でも、さやかと話す時は敬語じゃないんだ。
当たり前か、子供の頃からの知り合いだから。
でも敬語より砕けた話し方。


「長谷川さん、敬語を辞めたらどうかな?今、さやかとの会話は柔らかい感じで良かったよ」


「そう?いいアイデアだね。だったら今から敬語は禁止ね。たまには閃くじゃん、奈緒」


たまにはって…。









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