恋のおわり。
テーブルで一人でいた男性に声を掛ける。


「ご一緒していいですか？」


私より5歳位上かな。
落ち着いた感じで眼鏡を掛けている。


「はい」


シャンパンを前に出し私に乾杯をしてきた。


「鈴木奈緒さん、可愛らしいお名前ですね。
私は長谷川と申します」


ネームプレートを見て挨拶してきた。
スーツの下からベストが見えた。
キッチリした印象。


「長谷川さんはお仕事は何をされてるんですか？」


こういう場での話題には何がいいのか解らず手っ取り早く仕事の話をした。


「塾の講師をしております」


「そうなんですか。生徒さんは高校生ですか？」


話の種が出来、質問をしてみる。


「はい。高校生です。私の授業を受けたいと人気を博しております」


「…はぁ、そうなんですか」


冗談で言ってるのかと思ったが真面目な顔で言ってる。


…不思議な人だな。


長谷川さんの第一印象はそう思った。














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