恋のおわり。
会場からテラスに出て全員での写真撮影が行われた。天気が良くて気持ちいい日だ。


「シングルの女性の皆さま。これから新婦、江里さんからのブーケトスが行われます。
江里さんからの幸せを受け継ぐのはあなたです。参加されたい方はこちらにお願いします」


アナウンスが流れ佳菜子さんが私を促す。


人前に出るって恥ずかしかったが素直に前に行く。


「では、皆さま準備はよろしいでしょうか」


「江里さんもよろしいですか?」


はい。と
江里さんがうなづき


「では、3、2、1。
ハッピーウェディングー」


掛け声と一緒にブーケが宙に舞う。


一斉に挙げた手にブーケが落ちていった。


「残念だったわね。奈緒ちゃん。
取った子のジャンプ力凄かったもん。
あれじゃー、取れないわ」


私の前でブーケは消えた。
キャッチして喜んでいた前にいた女性。


「やっぱり、佳菜子さんに出てもらえば良かったですね」


「私だったら掻き分けて取ってたわね。こういう風に」


ジェスチャー付きで私に話す佳菜子さんが可笑しくて笑ってしまった。










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