恋のおわり。
トントンと後ろから肩を叩かれ振り向く。


「奈緒さん、いつの間にかどこかに行っちゃうんだもん」


人懐っこい笑顔で岡島君が立っていた。


「話したかったのに親しげにツーショットで話してたから行けなくて」


親しげって私の困った顔が解らなかったの?
話しかけるならもっと早く来て欲しかったわよ岡島君っ。


心で岡島君に突っ込みを入れた。


「岡島君、人気者だったね。可愛い女性に囲まれて」


「そんな事ないですよ。…奈緒さんと話したかったのに…」


「またまた~。岡島君、口が上手いな。
そんな事言われたら嬉しくなっちゃうじゃない」


「…俺、奈緒さんとまた会いたいと思ってて、ここで会ったのもチャンスなのかなって」


そんな事を言われて嬉しくないはずもなく顔がニヤケてしまった。


久しぶりの男性からの嬉しい言葉に心が弾むのがわかった。










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