恋のおわり。
「陵太朗君、髪型変わったんだね」


横に寝そべって前より短めの髪の毛に触れた。


「気候が暑いからこっちの方がいいんだ。奈緒さんは前の方がいい?」


「ううん。短いのもいい」


「カッコいい?」


「うん。…ちょっと痩せた?」


髪型のせいかな?
頬がほっそりした感じだ。
そっと頬に触れた。


「ちょっとね」


私の手を上から触れた。


「俺さ、奈緒さんと離れてつくづく思った。奈緒さんが俺にとってかけがえのない人でこれからの人生、絶対に奈緒さんと離れたくないって」


「…うん」


スッと起き上がりベッドに正座した岡島君に私も起き上がる。






「俺、……もう奈緒さんに恋してない」




「えっ」




驚いた私の顔を見てにっこり笑い





「奈緒さんの事、愛してます。
俺と結婚して下さい」




「…」




「奈緒さん?」




うつむいた私に岡島君が問いかけた。


「もうー」


前の岡島君に抱き付く。


受け止めた岡島君が


「奈緒さん。返事は?」


「絶対、陵太朗君と離れない。
私と結婚して下さい」




「はい」



ゆっくりと返事して
フフフと笑い私の顔を覗き込んだ。


「俺がはいって返事しちゃった。これって逆プロポーズだよね。奈緒さんにプロポーズされちゃった」


「もうー」


からかう岡島君を押し倒す。


下から笑顔で見つめる愛しい人。





…触れたい。




キスをする。
甘くて深くて離れないキス。


今までの思いを込めて。
そしてこれからの思いを足して。



キスの間にこぼれた岡島君のかすれた声。





…奈緒。





…………………愛してる。



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