シスコン総長VS溺愛総長!? 2R
その笑顔にどれだけ救われたか絶対わかってないんだろうな
心の中で何度も感謝した。
俺を見てくれてありがとう
俺の名前を呼んでくれてありがとう
そんな意味を込めて、震える手でマナを撫でた。
俺の手にスッポリ収まる、小さなマナ俺のマナ。
俺の手を握るその小さな手も、俺絶対に守るから今度こそ。
「ナオ‥‥おかえり」
下を向いたまま茶色く染められた髪の隙間から見える耳を真っ赤にしてつぶやかれた言葉。
今、おかえりって‥‥
一瞬俺の聞き違いかと思ったけど、恐る恐る顔を上げるマナに聞き違いじゃないことがわかり緩む口元をどうしても止められなかった。
いくら、手で隠そうとしても目元も緩んでいく。
あぁ、情けねぇな
情けねぇけど、俺の表情筋がめちゃくちゃに緩むほど、それほど嬉しかったんだ。