世にも奇妙な話
それから幾日も、暇があれば倉庫の前まで脚を運んでいた。だがいつも開かなかった。むしろ開くはずがなかった。諦めて、きびすを返して帰る日が続くだけだった。きっと担任が鍵の管理をしているに違いない。
しかしそんなある日のこと。休日の部活終わりに、今日もいつものように、今では習慣になってしまったことをするために階段を上がる。そして倉庫のドアノブを回してみた。いつもみたいに開かないだろうと、体は半身のまま、半信半疑であった。だが、開いた。喜びよりも先に、驚きだった。なぜ今日は開いているのか。
私はきっと日頃の行いがいいのだろうと自賛をし、すぐに気持ちを切り替えて部屋に入った。
ここに入るのも久しぶりで、何か私の心を不安にさせたが、部屋の中は何かいじられたり変わった様子はなかった。いつものように部屋の奥に進んだ。そして当然のように石に触れた。
音が聞こえる、人の声だった。大きな歓声にも聞こえた。まるで野球のスタジアムに来ているような、盛大な歓声。辺りはすっかり住宅地に変わっており、もうあの林は跡形さえもなかった。壁の絵も見えなくなっており、読めない文字を綴っていた。何語だろうか。その時までは人もいなかったが、しばらくすると、何十人、いや何百人の人が壁の前に群がった。人はそれぞれハンマーを手に持ち、するとガツーンと一回、そしてそれがきっかけに周りの人も壁を叩き出した。何度も何度も、繰り返して、思いっきり、思い思いに殴っていた。
私はただ、唖然にいた。なぜ彼らはそんなことをするのか。私は知るよしもなかった。そして壁はあっという間に崩れ落ち、バラバラと石の塊が地面に転がった。そしてそれを見た人々は喜び、抱き合い、まるで歓喜の叫びであった。だがその光景は私にとっては不審なものにしか見えなかった。
「おい…お前はまた懲りずに…」
しかしそんなある日のこと。休日の部活終わりに、今日もいつものように、今では習慣になってしまったことをするために階段を上がる。そして倉庫のドアノブを回してみた。いつもみたいに開かないだろうと、体は半身のまま、半信半疑であった。だが、開いた。喜びよりも先に、驚きだった。なぜ今日は開いているのか。
私はきっと日頃の行いがいいのだろうと自賛をし、すぐに気持ちを切り替えて部屋に入った。
ここに入るのも久しぶりで、何か私の心を不安にさせたが、部屋の中は何かいじられたり変わった様子はなかった。いつものように部屋の奥に進んだ。そして当然のように石に触れた。
音が聞こえる、人の声だった。大きな歓声にも聞こえた。まるで野球のスタジアムに来ているような、盛大な歓声。辺りはすっかり住宅地に変わっており、もうあの林は跡形さえもなかった。壁の絵も見えなくなっており、読めない文字を綴っていた。何語だろうか。その時までは人もいなかったが、しばらくすると、何十人、いや何百人の人が壁の前に群がった。人はそれぞれハンマーを手に持ち、するとガツーンと一回、そしてそれがきっかけに周りの人も壁を叩き出した。何度も何度も、繰り返して、思いっきり、思い思いに殴っていた。
私はただ、唖然にいた。なぜ彼らはそんなことをするのか。私は知るよしもなかった。そして壁はあっという間に崩れ落ち、バラバラと石の塊が地面に転がった。そしてそれを見た人々は喜び、抱き合い、まるで歓喜の叫びであった。だがその光景は私にとっては不審なものにしか見えなかった。
「おい…お前はまた懲りずに…」