痴漢は犯罪です!!
「優斗君は、森本1丁目駅に先回りしてもらって、3両目、前から2つ目の扉付近のホームで待ち伏せして欲しい。
やはり、車内では僕と合田と2人いるとしても、身動きが取れにくいので逃げられる可能性がどうしても高い。
優斗君は陸上部なんだよね?」
「はい。」
「一番、動きが素早い優斗君に電車から飛び出した痴漢を捕まえる準備をしてもらった方が確実だと思う。」
「分かりました。」
「優斗、よろしく頼むね!」
「ああ。」
優斗は亜優美に向かって笑顔を向けると、停車している電車に乗って先に森本1丁目駅へと向かった。
「私ね、いい物持ってきたんです。」
亜優美は鞄から1本の細い待ち針を取り出した。