痴漢は犯罪です!!



「お母さんの裁縫箱から借りてきました。昨日腕を掴めなかったから今日はこれで刺してやろうと。」



ニヤリと笑う。



「女性は怖いね。」



怯えるような仕草をしながらも合田もやってやれ、といった顔をしている。



「その待ち針は森本1丁目に到着する直前に使用した方がいい。相手が痛さで声でも出してもらえるとこちらも痴漢と認識しやすい。」



中川も待ち針は賛成のようだ。



「けれど亜優美さん。」



「はい。」



「君が痴漢を憎くて、捕まえたい気持ちはすごくよく分かる。

けれど、やっぱり君の身の方が大切だ。

痴漢が何も凶器を持っていないとは言い切れない。

あまりにこちらがやり過ぎて相手が逆上し、もし亜優美さんの身に何か起こる事が僕は何より一番怖い。

だから、くれぐれもやり過ぎないようにして欲しい。それは今ここで僕と合田と約束して欲しい。」


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