痴漢は犯罪です!!



『次は、森本1丁目です。』



森本1丁目駅の次の駅が亜優美が降りる西川駅だ。


電車が動き出してから暫くすると、再びお尻の辺りに違和感を感じ始めた。



(今度は逃がさない!)



顔だけ引き締めて、逃げられないように右手で捕まえに行く。


その時、電車が突然急ブレーキをかけて減速した為、乗客が一斉に進行方向に体を投げ出された。


亜優美は手すりに捕まって居た為、体勢を崩さなかったが、その反動で今までお尻を触っていた手の手首をグッと掴む事が出来た。



(よし!)



ニヤッと笑うと、それほど抵抗しない手首をしっかり離れないように握り締める。



「イタイ、イタイ。」



左後方から痛がる声が聞こえる。



(なるほど、この声の正体が痴漢か。)



『突然の急ブレーキ、大変申し訳ございません。森本1丁目に到着します。』



森本1丁目駅に到着し扉が開くと、強引に手首を掴んだまま、ホームに降りた。


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