Snow&Cherry
「この花、可愛いでしょ?」


花壇の前で微笑む佐倉は、やはりハルとは違う。
柔らかい雰囲気をまとった佐倉は、花に水をやりながら言った。


「私、花言葉とか好きでね。美化委員になったのも、それが理由なんだ。」


学校の花が心配だと佐倉が言うから、心配だしついてきた。
有り難いことに、ハルも大人しくしているし、佐倉も殺人事件の事は気にしていないみたいだ。


佐倉は、花壇の花を見つめながら、嬉しそうに笑った。


「そういえば、永瀬って誕生日いつ?」


首を傾げる佐倉に自分の誕生日を伝えると、佐倉は急に立ち上がった。


「2月26日は、スノードロップ!私の一番好きな花だよ!」


佐倉は、大きな目をキラキラさせながら言った。
それにしても、スゴい記憶力だ。


「ふーん……。花言葉は?」


オレがそう聞くと、佐倉は再び花に視線を向けながら言った。




「スノードロップの花言葉は………希望。」




希望。
オレの名前は、ひょっとしてここからつけられたのかな?なんて考えていたら、佐倉はスッと立ち上がって。


「あと………あなたの死を望みます。」


そう言った。
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