Snow&Cherry
「おはよー!」



そう言えば、皆が笑顔で返してくれる。
仲の良い友達が寄ってきて、話をする。



そんな当たり前の事。
当たり前の毎日。






それが、一年前は夢だった。








孤独。
一年前の私は、その言葉がよく似合っていた。
中2になって、クラス替えをして。




急に始まった……いじめ。






水をかけられる訳でもない。
物を隠される訳でもない。

ただただ、独りでいなくてはいけない。
誰にも相談できない。

そんな毎日を送っている中で、私が始めたこと。
それは、日記をつけることだった。

言われた悪口。
された嫌がらせ。

毎日書いている内に、募っていったのは、「殺意」だった。


あいつらがいなければ、私は今頃、友達と笑っていたのに。


死ね。
死ね。
死ね。


…………そうだ。神様にそう願うよりも、もっと確実に殺せる方法がある。









私が殺しちゃえば良いんだ。











日記の後ろについているメモスペースに、書いていくのは殺し方。

毎日毎日、ひたすら計画を立てた。



でも…………その時、私にクラスメートが手を差し伸べてくれたの。

いじめから、解放されたの。


だから、私は今こうやって学校に通えているし、あいつらものうのうと生きている。


佐々木美佳。
多田明日香。
藤井夏希。
三好優花。

私をいじめた四人と、その友達。
許してはいないけど………もう良いんだ。



私には、友達がいるから。







「佐倉!」




殺人計画の中に入っていた一人。
「永瀬瑞季」と仲良くなったのがきっかけで。


………中2の自分が、再び顔を出す……………。
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