Snow&Cherry
「……何?」


佐倉は、不思議そうにオレの顔を見る。

はたして佐倉は、クロユリの花言葉を知ってるのだろうか。


「……今日の放課後、空いてる?!」



苦し紛れに飛び出した言葉に、自分でも驚く。
だってそれって………で、デートって事ですよね……。


いやいや!
この状況でデートに誘う馬鹿がどこにいる!

オレだ!


「あ、や、違う!違わないけど!そのっ………!」


オレのキャラがどんどん崩れて行くが、そんなことどうでもいい。

とりあえず、チャラ男みたいな今の発言を取り消すことで精一杯なオレを見て、佐倉は笑った。


「空いてるよ!」


佐倉は、目に溜まった涙を人差し指で拭いながら、そう言った。


「……え、マジで!?」



成り行きとはいえ、永瀬瑞希。
佐倉とデートに行きます!
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