Snow&Cherry
永瀬は、話してみると凄くいい人で。
今年の林間学校は、予想よりもはるかに楽しくなりそうです。



「永瀬ー。起きてー。」

「……無理。目があかない。」




ただ、後二回このやり取りをしなくてはいけないのは、ちょっと心配だけどね。

永瀬は、寝起きが悪いみたい。


「お前は眠くないの?」

「………まぁ、ね。」


永瀬が目をこすりながら私に聞いた質問に、曖昧に答えたのは訳がある。


寝れなかったのだ。

思い出してしまった去年の事。
再び沸き上がってくる殺意。


そして、脳裏によぎる後ろから五ページ目の「殺人計画」。



途中の記憶は無いものの、私はどうやら、眠ることが出来ないまま、朝を向かえてしまったようで。


「佐倉?どうした?」

「……ううん。何でもない。」



今、普通に話している永瀬だって、一年前は殺そうと思っていた。
死因は…………確か撲殺。

永瀬が好きなサッカーにちなみ、サッカーボールで何度も殴られるという計画だったはずだ。





「………許さない。」

「……佐倉?」

「へ………。」


意図しない言葉が口から出る。
許さないって………何を?












アイツラヲ?
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