聖乙女(リル・ファーレ)の叙情詩~奇跡の詩~
うるさいお目付け役が去ったあと、真っ先にフレイアが取り組まねばならないことはひとつだ。この苦くて苦くてありがたくない隣人いや同居人を、闇に葬らねば。
「へっへ~ん、こんなの、捨てちゃえばいいのよ」
フレイアは薬の袋をむんずとつかむと、テントの隅の籐編み蓋つきゴミ箱の中に放り込もうとした。
が………
ゴミ箱の中には先客がいた。
―“捨てたらわかる 殴るぞ”。
ジョルデの字でそう書かれた紙がでーんとゴミ箱の中を陣取っていたのだった。
「ま、負けたわ…」
どうやらジョルデの方が一枚も二枚も上手のようだった。
フレイアはテントの中にごろんと横になると、「はぁぁ~」と長いため息をついた。
白いテントの天井に、描き出すのはただひとつの面影。
「…早くパールに会いたいよぅ」
そう、パールに会いたい、その一心で、フレイアはここ、フローテュリア王都にやってきたのだ。
「へっへ~ん、こんなの、捨てちゃえばいいのよ」
フレイアは薬の袋をむんずとつかむと、テントの隅の籐編み蓋つきゴミ箱の中に放り込もうとした。
が………
ゴミ箱の中には先客がいた。
―“捨てたらわかる 殴るぞ”。
ジョルデの字でそう書かれた紙がでーんとゴミ箱の中を陣取っていたのだった。
「ま、負けたわ…」
どうやらジョルデの方が一枚も二枚も上手のようだった。
フレイアはテントの中にごろんと横になると、「はぁぁ~」と長いため息をついた。
白いテントの天井に、描き出すのはただひとつの面影。
「…早くパールに会いたいよぅ」
そう、パールに会いたい、その一心で、フレイアはここ、フローテュリア王都にやってきたのだ。