聖乙女(リル・ファーレ)の叙情詩~奇跡の詩~
それから実に三週間近く、陽雨神は星の殻に閉じこもり、姿を現さなかった。
リュティアはひたすらに祈り、声を掛け、陽雨神を待った。彼が自分で自分なりの答えを見つけ出すのを待った。
「我とて、信じたい…」
それが三週間ぶりに顔を出した陽雨神の第一声だった。
「母上の言葉を、信じたい。だがサーレマーは約束を破った。それが真実だ。信じられぬ。何も信じられぬのだ…」
「約束……」
リュティアは目を閉じ、人生の約束を振り返る。そして静かに瞼をあげる。
「たとえその約束が果たされなくとも、約束とは力を持ちます。それが心にあるだけで、強くなれる。私はそれを、アクスから教わったのです…。陽雨神様、本当にそのことだけが、サーレマーさんの真実だとお思いですか? 真実とは…なんでしょうか。確かな真実だと思ったことが嘘になることもあります…嘘が真実になることも…」
リュティアはそれをライトから教わった。
「けれどそこに確かにひとつだけ輝き在るもの、それが真実なんだと思います。それをみつけたいなら、私たちは強くあらねばならないのではないでしょうか」
「サーレマーの、真実…?」
「きっとあなたは真実をみつけられることでしょう。それまで私は、おそばにいます」
「母上………」
陽雨神ははじめて涙を拭い、強く想う。
―サーレマーの真実を、探したい。真実は、どこにあるのだろう?
餅を差し出して朗らかに笑ったサーレマー。
不思議そうに星を叩いてはしゃいだサーレマー。
肩を寄せてうずくまり、一緒に泣いたサーレマー。
心に届いたその祈りの光。生きる喜びを思い出させてくれた人…。
いつしか大切なものとなっていた、その約束。
陽雨神の中に今、静かに勇気が生まれる。
真実と向き合う勇気が生まれる。
その時………!!
リュティアはひたすらに祈り、声を掛け、陽雨神を待った。彼が自分で自分なりの答えを見つけ出すのを待った。
「我とて、信じたい…」
それが三週間ぶりに顔を出した陽雨神の第一声だった。
「母上の言葉を、信じたい。だがサーレマーは約束を破った。それが真実だ。信じられぬ。何も信じられぬのだ…」
「約束……」
リュティアは目を閉じ、人生の約束を振り返る。そして静かに瞼をあげる。
「たとえその約束が果たされなくとも、約束とは力を持ちます。それが心にあるだけで、強くなれる。私はそれを、アクスから教わったのです…。陽雨神様、本当にそのことだけが、サーレマーさんの真実だとお思いですか? 真実とは…なんでしょうか。確かな真実だと思ったことが嘘になることもあります…嘘が真実になることも…」
リュティアはそれをライトから教わった。
「けれどそこに確かにひとつだけ輝き在るもの、それが真実なんだと思います。それをみつけたいなら、私たちは強くあらねばならないのではないでしょうか」
「サーレマーの、真実…?」
「きっとあなたは真実をみつけられることでしょう。それまで私は、おそばにいます」
「母上………」
陽雨神ははじめて涙を拭い、強く想う。
―サーレマーの真実を、探したい。真実は、どこにあるのだろう?
餅を差し出して朗らかに笑ったサーレマー。
不思議そうに星を叩いてはしゃいだサーレマー。
肩を寄せてうずくまり、一緒に泣いたサーレマー。
心に届いたその祈りの光。生きる喜びを思い出させてくれた人…。
いつしか大切なものとなっていた、その約束。
陽雨神の中に今、静かに勇気が生まれる。
真実と向き合う勇気が生まれる。
その時………!!