誰かのために
『よろしくな。俺はゆう。お前は、橘何て言うのか??』

『こちらこそよろしく♪紗姫だよ。』

『紗姫かぁ。俺のこと、ゆうってよんでな。』

『わかった。先生が話してるから。』

正直、もっとゆうと話していたかった。先生の話しなんてどうでもいい。ただ、クラスの女の子に嫌われたくない。これ以上ひとに嫌われるのはごめんだ。
さっき、聞こえてしまったんだ。ゆうがあたしに話し掛けたあと、前の方の女の子が『あいつ、可愛くないのにゆう君とはなしてるんじゃねぇよ。』と。
あんたは何様なんだよ。って思ったけど、いじめられるなんてまっぴら。
最小限にしか彼と関わらないようにしよっと。
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