誰かのために
適当に、ぶらぶらしたあと、ファミレスに入った。

美菜が誰かを電話でよんでいた。

ちょっと待ったらそのよんだひとがきた。

岡崎君だ。美菜と親しいみたい。あたしだけ、ヒトリボッチ。オイテキボリ。サミシイ。ダレカタスケテ。
『紗姫!!紗姫!!』

美菜の声ではっとした。

『ごめんね。ぼうっとしてた。ごめんね。気分悪いから先帰るね。ごゆっくり♪』

美菜と岡崎君の声を無視して、家へと急ぐ。家に帰ってもいいことなんてない。
でもね、その時は2人が楽しく話している姿をみて、自分の存在しているかいないのか、必要か不必要なのか、わからなくなった。

きっと、美菜はあたしがいない方が楽しいだろう。荷物が降りてちょうどいいだろう。

自己中心だってわかってる。ごめんね。美菜。
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