誰かのために
どうみたって、イケメンだ。

『キャー』

という、女子の叫び声が聞こえた。あたしは、こういう女子が苦手だ。でも、やらずに嫌われる方がもっといやだ。だからね、最大の声で叫ぶ。

きっと、君はこの時にもう気がついてくれていたのかもね。


『岡崎雄紀です。アメリカから日本に帰ってきました。気軽にゆうってよんでください。よろしく!!』

ありきたりなあいさつ。でもね、君の声はあたしの心のドアをノックし始めた音だったんだ。

でもね、ごめんねゆう、あたしはこの時自分の場所づくりに必死で君のノックの音に気がつかなかったよ。
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