あたしこそが最愛最高の姫である
女王
美玲side*
「美玲ー。あの女、ちゃんと族の姫から降りたらしいぜ?」
紫苑から待ちに待っていた報告を聞いてほっと安堵の一息つく。
あたしが屋上に乗り込んで事実を伝えてから、一週間ほどがたった。
もう夏休みは目の前だ。
「……やっとか」
あのクソ女はあたしを男を使って汚そうとさせたり、地味な嫌がらせを散々してきた。
ある日、放課後の校内を蓮と直と歩いていると、数人の男がいきなり物陰から襲い掛かってきた。
本当は蓮や直を倒してあたしを襲わせるつもりだったんだけど、あいにくのこと蓮と直は負けるほど弱くはない。
親が親のため護身術はできるし喧嘩だって出来る。
そのため相手の男たちは返り討ちに会い、逆に向こうの情報を色々吐き出させた。
そんなこともありあたしがキレた。
そして蓮も生徒会のみんながキレたようだった。
そして全力を挙げていろいろ調べて、クソ女を暴走族の姫から降ろすことに成功した。
これにて一件落着って感じ。
……ふっ。ざまぁみなさい。
内心ほくそ笑むあたし。
まさにあたしみたいな女を悪女というだろう。
自分の満足の為に簡単に人を蹴落として、嘲笑う。
でも生徒会を少しでも揺らぐような名前についた、あなたが悪い。
あたしと同じ姫。
生徒会と暴走族の姫。
そんなことで比べられて生徒会の名前が穢れるなんて______ありえない。