あたしこそが最愛最高の姫である
そして学校_________。
「見て!あれが篠原先生の彼女って噂の子!」
「………すんごい綺麗なんだけど」
「マジで付き合ってんの?」
「でもあの子なら先生と付き合っても何の違和感ないねぇ」
「彼女いたとかショック……。しかも後輩って…」
「学校一のイケメン教師がぁ!」
「で、でも今の一年ってかなり美形多いらしいじゃん!?」
「教師と生徒って禁断?ヤバくない?」
がやがや、ざわざわ
あたしが学校の靴箱についた途端これだ。
周りにいた同級生、先輩と思われる人物はあたしを見るなり一斉に喋り出した。
煩いな、黙っといてよなんて睨みながらも階段を登っていく。
「あの子名前篠原美玲って言うんだって!」
「えぇ!?先生と同じ苗字!?」
…………ほんっとうにメンドクサイ。
からかい半分で玲の彼女アピールをしたことは失敗だったとかなり後悔した。
あたしは彼女じゃなくてただの妹ですよーと、叫びたいものだがそれはそれでめんどくさい。
まぁどうせ他人にどういわれてもうるさいだけで、関係ないから何でもいいのだ。
とりあえず舌打ちをかまして、既に死にそうな階段を登った。
「…………疲れたぁ」
やっと一番上の階まで登り切って大きく息を吐く。
あたしって本当に体力がない。
エレベーターぐらいないのかこの学校は、なんてぐちりながらも慣れない廊下を歩き自分の教室へと目指した。
がらり、と開けて教室に入る。
「…………………」
ビシビシと刺さる視線を気にせずに、この前一度だけ座った自分の席に荷物を置いた。
椅子を引いてそこに座ろうとするけど……。
「…………何?」
隣りからの威圧的な視線だけは、気にせずにはいられなかった。
「……………お前」
なんなの、このヤンキーは。
見た目からしてほんっとうにチャライ。
あたしチャライ人って嫌い。
よく声をかけてくるナンパたちは揃いも揃ってこんな格好をしているからだ。
でもそのナンパたちと、この男の顔の良さは比べものにならないほど違う。
「………………学校なんで来なかったんだよ」
かなりの間をあけてあたしに言った男を無視して、椅子に腰かけた。
「聞いてんのか、おい」
「聞いてないから」
「……聞いてんじゃねぇかよ」
黙れヤンキー。