あたしこそが最愛最高の姫である
にやり、目の前の男が笑った。
あたしも、ただにこりと笑う。
「……………ふっざけんなこのくっそビッチが!」
たっぷりと間をあけて、あたしは男を蹴り飛ばした。
今思うと、ビッチという言葉は男にも使えるのかどうか分からないが……不意にもキスを奪われたあたしはただ怒りに任せて蹴りに力を入れた。
そして思いのほか大きな音を立てて派手に飛んだ男を視界の片隅にも入れずに、ずかずかと玲の元へと向かったのだ。