あたしこそが最愛最高の姫である








「………は?」







先ほどとは違い掠れた声が出た。








目を疑う。








「以前には二人の目撃情報も相次いでおり、ついにゴールインするということです!」










「おめでたいですねぇ」











………嘘でしょ。









テレビの画面が遠くに感じて。








隣りにいる玲の顔が見れなかった。














ありえない。ありえない。ありえない。












なんで__________。












咄嗟に立ち上がって、リビングを駆け出した。









「おい!美玲!」








頭が情報を処理できずにぐっちゃぐちゃになっている。









ねぇ、なんで。







後ろから玲の声が聞こえたが無視して階段を駆け上がろうとした時。












つるっと、本当に綺麗に足を滑らせた。










ふわっと一瞬の浮遊感があたしを襲った。










あ、落ちた。









ただそれだけを思った。











そして___________。

















「美玲!?」












「…っ」










全身に痛みが走る。









玲の声を最後にあたしは意識を失った_______。
















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