あたしこそが最愛最高の姫である
次に目を覚ますと、真っ白な天井が目の前に広がっていた。
それと同時に香るツンとした薬品の匂い。
それが不快で小さく咳をした。
「み、れい…?」
ゆっくりと声のした方を向く。
そこには…少しだけ情けない顔をしている玲がいた。
「……れい」
見慣れた顔があることに安堵の息をついた。
「美玲、痛いとこないか?」
ゆっくりとあたしに近づいて来てあたしの頬を撫でる玲。
気持ちがよくてそして嬉しくてそっと目を細めた。
「……なんで、あたし病院にいるの?」
目を閉じて玲の暖かさを感じながら疑問に思ったことを聞いてみる。
「お前階段から落ちたんだよ」
少しあたしをからかう様な玲の声色。
優しい、声。
「………へぇ。階段から」
玲の声に気を取られていたが内容を理解すると少しだけ驚いた。
………落ちたって。
何であたし落ちたんだろう。
ダサいな。
そう呟くと、頬を動いていた手が止まった。
それを感じて目を開ける。
そこには眉をひそめている玲がドアップで映った。