あたしこそが最愛最高の姫である
「さっきの男と知り合い?」
彼女は意外な質問を受けたのか、すこしびっくりしていたけど。
直ぐに否定した。
そのことにほっとする。
「あの人、顔はまぁいいかもしれないけど…、女の子を周りにいっぱい従えてたし、チャラかったよね」
「チャラいってか見た目怖いけどな。でも明るくていいやつだよ」
「生徒会にもチャラいのいるわよ?」
「あー、見たことある。でもなんか派手なくせにオーラあったよな」
「生徒会はみんなオーラ凄いってことはよく思う」
そして会話は途切れることなく進んでいく。
淡い日差しを受け、周りに花たちが咲き乱れている幻想的な場所で。
近い距離に俺と彼女が座っている。
この距離が少しもどかしいけど、これ以上は望まない。
このまま時間が止まればいいのに。
それが無理なら、せめてこの時間を一秒でも長くして。
そう願わずにはいられなかった。