あたしこそが最愛最高の姫である



でも、終わりは必ずやってくる。





「あれ?もうこんな時間。話し込んでて時間忘れちゃった」





中庭から見える時計塔を彼女が見て、この時間の終わりを告げてしまった。





今彼女と別れれば、次はいつ会えるか分からない。





これが最後になるかもしれない。





不安が胸に押し寄せる。





でもそんな不安は彼女の一言で綺麗に消え去ってしまった。






「和矢くん、またお話しない?」





華が咲いたような笑みを浮かべて、声も少し甘ったるく聞こえて。





もちろん断るわけない。







「喜んで」





笑っている彼女に微笑むと、彼女は小さく頷いてくれた。






「それじゃ、またここに来てくれる?」






「明日から毎日でも来るよ」






「ふふっ。ならあたしも来ちゃおっかな」






そして次への約束を結び、彼女とは別れた。








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