あたしこそが最愛最高の姫である
俺は浮かれて気づいていなかった。
俺に背を向けて凛と歩いている彼女が_____冷たい笑みを浮かべていたなんて。
俺は気づけなかった。
簡単なことなのに。
彼女は生徒会に深くかかわりのある人物。
そして生徒会は俺らに目を付けて警戒している。
そんな生徒会だからもちろん俺らの情報…少なくとも、顔と名前なんて知っているに決まっている。
いくら彼女が生徒会の仕事に関わっていないとしても、俺の事は知っているはずだ。
そう考えると彼女の話には矛盾点がいくつか生まれる。
でも俺はただ浮かれていた。
幸せをかみしめていた。
警戒心なんて微塵も持っていなかった。
彼女が騎王に近づくために俺を利用した、なんて考え自体浮かぶはずもなかったのだ________。