あたしこそが最愛最高の姫である
それでも起きない蓮。
少し、小さないたずら心が湧いた。
もう足は痺れてすっごい辛い思いをしているんだから、多少の悪ふざけをしても怒られはしないよね?
あたしはそう自分で決めつけて、蓮の髪を編み込みだした。
短いから殆ど出来ないけど、なんか楽しい。
ぐいぐい引っ張って無理矢理編み込む。
「……やばっ」
まじで楽しい。
そして頑張って編み込んだサイドを崩れないようにピンでとめようとする。
……ピン、持ってないじゃん。
編み込みが崩れないように片手で強く抑え、もう片方の手で自分の髪を留めていたピンを外す。
そしてそれをしっかりと蓮の髪に差し込む。
「でーきたっ」
見事に編み込まれた蓮の髪。
我ながら素晴らしい。
「さすがあたし」
蓮の髪を素晴らしく仕上げられたことに上機嫌のあたし。
でもずっと下を向いていたので首が痛い。
そして首の痛みを感じ始めると、足のしびれも感じ始めた。
………やっぱりキツイな。
そんなことを思いながらも、ふと前を向くと……。
真っ青になっている三人と目がばっちりあった。
「………何?」