あたしこそが最愛最高の姫である
「キャっ!」
頭がグワンとまわった感覚に、背中に走った軽い衝撃。
そして目の前にある……怒っていらっしゃるサイドを編み込まれた蓮。
「ははは…」
苦笑いしか出てこない。
「……美玲、頭いてぇ…」
そりゃそうだ。
すっごい強く蓮の髪引っ張ったもん。
「あれ、蓮…。起きてたの?」
満面の笑顔を浮かべてとぼけてみる。
「……頭いてーって」
眉間に深いしわを刻んでいて、更にそのしわが濃くなってしまう。
蓮の視線から逃げるように顔を横に向けると…。
蓮の手ががっしりと置かれてあった。
……やっぱり逃げられないか。
このままだと蓮がキレちゃうし。
ちょっと調子に乗りすぎたかなぁ…。
でも蓮、編み込み似合ってた。
それでチャラにしてくれれば良いのに。
なんて思いが蓮に伝わるはずもなく、このまま沈黙が続く。