あたしこそが最愛最高の姫である
暴走族Ⅱ
和矢side*
「ねぇ、美玲ちゃん?」
「ん?何?和矢くん」
「明日さ……暇かな?」
「えっ?」
彼女と再開してから数日が経った。
放課後はいつも美玲ちゃんと中庭のベンチで話し込んでいる。
やっと最近、彼女のことを“美玲ちゃん”と呼べるようになってきた。
でも内心は照れくさくて、自然に振る舞えるように必死だけど。
「大丈夫だけど…」
「あのさ、もし良かったら…。遊ばない?」
そして俺は、更に彼女との距離を縮めたい。
美玲ちゃんと会えるだけで毎回泣きそうになるし、美玲ちゃんが笑うだけで満足だけど…。
最近はいつまでこの関係を続けることができるのか不安になる。
どうせ何かのキッカケで消えてしまう関係なら、今のうちに少しでも濃い時間を美玲ちゃんと過ごしたい。
「えっ、いいのっ?」
「美玲ちゃんが良かったら」
「ならあたし、和矢くんと遊びたいかも」
華の咲いたような美しすぎる笑みを浮かべた彼女。
自分の顔が赤くなってないか不安だ。
「なら明日、映画でも行こうか?」
これは俺の中ではデートの誘い。
「ふふっ。楽しみ」
美玲ちゃんとデート出来るとか、もう嬉しすぎて死ねるんだけど。
ダメもとで頼んだだけなのに。
単純な思い付きだっただけなのに。
明日、決まった予定に俺は浮かれまくっていた。