Good-Bye Dear
さようなら
ぽつぽつと雨音が窓を叩く音が響く寝室。
俺はそっと、ベットに横たわる
その小さな背中を見つめていた。
「起きてる?」
『……うん』
問いかけた声は雨音に溶けてしまいそうなほどだったのに、彼女にはしっかり届いたようで。そんな些細な事が嬉しくて。
———…眸の奥がじわっと熱くなった。
やばい、俺。こんなことで泣くなんて
すっげぇダサい。
こんな姿、きっとまたこいつ笑われる。
そう、思っていたのに…。
『……っ』
なんで何も言ってくれないんだよ。
いつもみたいに
「ほんと、泣き虫なんだから」って。
そう言って困ったように笑ってよ。
じゃあ俺もいつもみたいに
「うるさいな」って。
ちょっと強気に言い返すから。
だから……っ
『泣き虫…っ、うつっちゃったじゃん』
「っ…」
俺より先に、泣かないでよ。
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