お犬様とおおかみとただの馬鹿に追いかけられています。
うるさい、亮はほっとこ。

うん。それが、一番いい気がする。


「み…なっ」


あー、あら奏(そう)ではないか。


「かまっ…!」


あー、かまってほしいのね。

いいこ、いいこ、と言って私は奏の頭をなでる。

すると、奏はすっごい笑顔で私を見た。

そりゃまー、すっごい笑顔で。

あー、犬に見える。

奏の頭から犬の耳が見える。

ボール投げたら、とってくるかな?

と、真剣にかんがえてると、

連が、


「奏かわいそ…この、無自覚実奈。」


と言った。


「知ってますー。私がブスなことぐーらーいっ!
 そーだよね、こんなブスになでられたら、奏
 かわいそうだよね。」


うん、うん、と一人で納得する私。


「お前、その顔でブスって言ったら、世の中の女性
 ほぼ敵にまわすぞ。」
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