【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー
どこか遠くを見つめるような目をしながら嘆息する昴。
「興味ないから。女とか」
そして俺は、窓の外を見ながら吐き捨てるようにそう言った。
──一つ、訂正するべきだった。
女に興味が無いんじゃない。
たった一人、あいつ以外の女なんか、眼中にないだけだった。
それから、一週間程経ったある日のこと。
その日は日曜日で、何処かにでかける気分にもなれなかった俺は、リビングでテレビを見ていた。
──ピーンポーン……
丁度見ていた番組がコマーシャルに入った時、家のチャイムが鳴り響き、母親に「理貴、出てきて」と言われた俺はソファーから立ち上がり、玄関へと向かった。