【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー
木村君が、私のこと忘れてたらいいな、なんて期待もしていたのだけど、さすがにそれは無かったみたいで。
教室で話しかけてくることはなかったけれど、家に入ろうとした時に呼び止められて、きっと私の顔は引き攣った。
その証拠に、木村君が、凍りついたような表情をしたから。
──ごめんなさい。
あからさまな態度をとってしまったのは心苦しいけれど仕方が無い。
私には、木村君に微笑むような器量の良さは無いんだよ……。
──木村君も、私に少しは罪悪感とか感じてて、私に接しにくくなってるのかなって思ってたけど、それは思い過ごしだったようで。
私がゴミを捨てる場所が分からなくて戸惑っていたら、向こうから話しかけてきた。
そんな木村君に、相変わらず優しいところは変わらない、なんて思いながら、そんな優しさは向けてくれなくていいからどこかに行ってくれと願う自分もいた。