【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー
だって気まずい事この上ないじゃんか。
木村君も、私が嫌がってることに気付いてるならその気持ちを汲み取ってくれればいいのに、しつこいくらいに構ってくる。
──やめて欲しい。
今更、元のようになんて戻れないんだから。
優しくなんて、しないで。
でもきっと、木村君はこんな深いことは別に考えていなくて、ただ私が転校したてで、慣れていないから構ってくれてるだけだろう。きっと深い意味はない。
──そう思っていたのに。
「沢森、聞いて。あの日、バレンタインのあの日──」
まさか木村君の方から、その話を持ち出してくるなんて。
「──聞きたくないですっ!」