【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー
「どうして……っ!」
どうして、私の心を揺さぶるの──。
当然、その日から私は木村君を避けた。
当たり前だ。目なんか合わせられるわけもない。
……また私で遊ぶつもりなのかな?
私のこと、あんなに傷つけておいて、まだそれでも足りないって言うの?
私が何をしたっていうの──……。
木村君も、こんなあからさまに避けてるんだから放っておいてくらればいいのに、ある日私はついに、木村君に捕まってしまった。
「無視すんなよ」
私の目の前でそう呟く彼は、怒ったような、悲しそうな顔をしていた。
「無視、なんて……」
してません、とはっきり言い切ることが出来なかったのは、無視してると言われればはっきりとは否定できないような態度を取っていたのも事実だったから。