【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー
恵梨がこっちに転校してきた日。
最初は、転校生でまだ右も左もわからないだろうと思って、親切心で接していただけだった。
最初はぎこちない笑みばっか浮かべて、時折憂いの表情を浮かべていた恵梨も、しばらく経つと、すっかりクラスに馴染んでいた。
──多分その頃にはもう、惚れていた。
「渓斗君」と呼ぶ声が可愛くて。
「ありがとう」と笑う顔が愛しくて。
どうしようもなく、好きだなと思ってしまえば想いは止まらずに。
俺は直ぐに、恵梨に告白した。
──全くの自信が無かったといえば嘘になる。
よく恵梨と目が合う気はしていたし、クラスの中で一番恵梨と仲がいいのは、女男ひっくるめても俺だと思ってた。
きっとそれは、自惚れではなく。