【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー
「誰が好きなのか分かれば、納得すれば、諦められるから。応援、できるから……」
だからお願いします、と頭を下げた滑川。
「……顔、上げろって」
そう言うと、ゆっくりと滑川が頭を上げた。
「沢森恵梨。俺の、好きな人」
「え?あの、転校してきた?」
「そう」
そう言うと、意外だとでもいうように滑川は目をパチパチさせた。
「……一目惚れ?」
「いや、中学の時から知り合いだから」
元カノ、という情報はきっと余計でしかないだろうから伏せる。
求められてない答えまで話して、徒に滑川を傷付けたくない。
……なんて、俺が言えたことじゃないか。
「そっか……沢森さん、可愛いしね。木村君とお似合いだと思う!」
「滑川……」
「教えてくれてありがとう」