【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー
わかってたくせに、一人で傷ついて。
余計なこと、聞かなきゃ良かったんだ。
「……沢森のせいで心臓痛くて死にそう」
「えっ、なんですかいきなり。私のせいですか!?」
というか本当に痛いんですか?大丈夫ですか?と心配そうにする沢森は、俺の心痛の理由には気付かない。
わかれよ馬鹿。
お前のこと好き過ぎて、痛えんだよ。
「あ……」
それから二人して無言で作業を続けていると、不意に沢森が、そう小さな声を洩らした。
その声に顔を上げると、沢森は窓の外を見ていて。
それに倣うように窓の外に目をやって、俺は思わず顔を顰めた。
「ゲ……、雨かよ」
さっきまで晴れてたのが嘘のようなザーザー降り。