【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー
まあ欲を言えば、相合傘したかったなーなんて。
きっと口に出したらまた拗ねるんだろうから、言わないけど。
それにしても、とまた窓の外に視線を移す。
「……これ結構やばくね」
雨なんて可愛いもんじゃない。
豪雨、暴風雨、嵐。
──そんな表現にした方が、きっと正しい。
「さっさと終わらせて帰ろうぜ」
「そうですね」
沢森ともっといたいからゆっくり作業するなんていってられねえ。
沢森を安全に帰すためにも、早く終わらせる。
──そんな思いが功を奏したのか、作業はすぐに終わった。
パチン、と最後のホチキスを留めて、ふー、と二人して息を吐く。
「……なんとか終わったな」
「ですね」
「じゃあ後は俺が──」
俺が職員室持っていくから、と立ち上がった瞬間、カッ!と一瞬閃光弾を投げ込まれたみたいに辺りが真っ白に光って。
──ゴロゴロ……ピシャーンッ!
「きゃ……!」