【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー
「すーぐヤキモチ妬いちゃうんでちゅねー。理貴クンは」
「……殴り足りなかったか?」
「や!冗談!冗談だから!」
暴力反対!と泣きながら去っていった昴。
……馬鹿なこと言うからだ。
「……つか、ガキかよ俺」
なんだかんだで昴の言う通りだ。
沢森に話しかける奴なんか俺だけで十分だと思うし、他の奴と話してるの見ると、嫉妬で狂いそうになる。
嫉妬なんかできる身分じゃないこと、わかってるけど。
せめて学校の中では、お前に一番近いのは俺でありたいんだ。
そう思うのは、贅沢なんだろうか──。
沢森の姿を探すと、一人で一生懸命看板を塗っていた。
ほかの奴は仕事してても友達と喋ったりしてんのに、ほんとくそ真面目な奴。
「……変わんねえな」