【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー
放課後。
特に何か部活に入ってる訳でもない俺は、そのまま真っ直ぐ帰路につく。
あと少しで家につくというその時、その後ろ姿を見つけた。
俺の家の隣の家へと入っていくその女は──……。
「沢森……?」
思わず呟いたと同時に、その女がこちらを振り向いた。
驚いたように振り向いた沢森は、とたんにその瞳に怯えの色と、それから軽蔑の色さえも含んで、俺を一瞥してから──逃げ出した。
「沢森……っ!」
そう呼んだときにはもう、沢森は家の中へと消えていた。