【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー
「……どういたしましてくらい、言わせろよな」
俺はそう苦笑いしてから、沢森とは逆方向へと歩みを進めるのだった。
翌日。
カンカンと照りつける太陽の下、せっかくの休日だというのに俺の足は学校へと向かっていた。
というのも、文化祭までにこのままだと間に合わないので、学校に集まって準備を進めようという提案があったからなんだけど。
こんなくそ暑いのによくやるよ。
でもまあ沢森に会えるしいいか、と単純なのは俺の脳みそだった。
家が隣とはいえ、家族ぐるみですごい仲がいいというわけでもないから、会うことなんてそうそうない。
俺たちが昔付き合ってたのなんか、当人同士しかしらない内容だし。
……向こうには、親公認の恋人もいるしな。
あー、嫌なこと思い出した、と舌打ちした時。
「……あっ、」
「あ?」