【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー
ガー、と開いた道路沿いのコンビニの自動ドアから発せられた声に振り向くと、そこには戸惑ったような顔の沢森が立っていた。
「あー……はよ」
沢森が困った顔をする理由もわかってるし、俺も俺で突然のことに気が回らなくて、とりあえずそう挨拶する。
「おはよう、ございます」
対する沢森は、俺から少し目線を逸らしながら、そう答えた。
「沢森も、学校?」
こくん、と小さく頷く沢森。
「じゃあ一緒に行こうぜ」
「え、でも、」
「方向同じなんだから別にいいだろ」
「っ、」
沢森も俺の言葉に言い返せなくなったのか、きゅ、と唇を噛みながら、歩き出した俺の後ろをてくてくと着いてきた。
俺的には隣に並びたい所だけど、沢森はきちっと一定の距離をあけながら俺を追いかける。