【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー
ラブラブ出来たらどんなにいいか。
沢森なんてまだまだ俺に警戒心バリバリで、懐く気配もない。
ゆっくり話をしたいのに、沢森はすぐ逃げるから。
「……昴くらい単純ならよかったのにな」
「ん?なにそれ褒めてる?バカにしてる?」
「悩み無さそうでいいなって褒めたんだよ」
「それ褒めてるって言わねーから!」
ギャーギャーと喚く昴を適当にあしらい、頭の中ではずっと沢森の事を考える。
まだ、沢森の誤解を解いていない。
とにかく沢森の俺に対する誤解を解かないと話が始まらない。
二人きりになれる絶好のタイミングがどこかに無いものかと考えながら、俺は沢森の後ろ姿を見つめていた。
しばらくすると、クラスの奴らも大体集まり、作業開始となった。
俺は昨日と同じように、沢森の傍に行こうと一歩踏み出したのだけど。
「理貴君!」