【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー
「女の子って……あー、あそこの集団か」
教室の中を見て、すぐにわかったのか苦笑いする滑川。
それから、そうかあそこのグループが勝ち取ったか、とブツブツと意味のわからないことを呟いていた。
「滑川?」
「あ、えっとね、昨日から密かに女子の中で、誰が木村君と一緒に文化祭準備する権利を勝ち取るかーみたいな感じで火花が散ってたんだよね」
なにそれ可笑しいだろ。
俺の意思はどこ行った。
「そっかだからそんな疲れた顔してんのか〜」
「……やっぱり俺、疲れた顔してる?」
「うんなんかもう、げっそり」
やばいよそれ、と苦笑いする滑川。
……恐るべし、女子軍団。
「断ればよかったのに。理貴なら普通に無理って言えんじゃん」
「なんか、高いところの飾り付けしたいから手伝えって言われて断れなかった」
「なるほど策士だな……」