【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー
ここは大人しく準備の手伝いをするか、と俺はその場にしゃがみ込んだ。
「木村君……?」
「俺も手伝う。何すればいい?」
そう言うと、え、と沢森が気の抜けた声を出す。
「でも、さっきの女の子たちと作業してたんじゃ……」
「え」
今度は、俺が間の抜けた声を出す番だった。
なに、知ってたの?気付いてた?
──俺の事、見てたんだ?
「……気づいてたの?」
自惚れかもしれないけど、でも確かめたくて。
確認するように沢森にそう言うと、その問いに答えたのは沢森じゃなかった。
「恵梨ちゃん何回か木村君の事気にしてたもんねー!」
「うんうん、時々上の空でさ!」
「二人とも仲いいんだね!」