【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー

└恵梨side*.゜





文化祭、当日。


文化祭は土日の二日間で行われて、一日目は校内だけで、二日目は一般公開も行われる。


一般公開が行われると開始早々結構な人数の人が来るらしいのだけど、今日は一日目だから、活気溢れながらもゆるりと穏やかな空気が流れていた。


「あ、沢森さんおはよー」

「おっ、おはよう……!」


教室に入ると何人かの子が挨拶をしてくれて、少し突っかえながらも挨拶を返す。


文化祭準備を機に、クラスの子達とも少し打ち解けられた気がする。


「はいこれ、沢森さんの着物ね!」


どうぞ、と両手にずしりと乗せられた重み。


着物なんて着るのいつぶりだろう。私、絶対似合わないよなあ……。


──ああそうか、あれ以来だ。


木村君と夏祭りに行った、あの日。



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